
イ・ホンギの勇気が医療制度を動かした!韓国で化膿性汗腺炎治療薬に保険適用へ
韓国国内の患者がわずか1万人とされる“化膿性汗腺炎”は、長らく社会的認知が低い疾患だったが、歌手イ・ホンギが勇気ある告白で自身の体験を公にしたことで注目が大きく高まり、12月からは治療薬『コセンティクス』の保険適用への道も開かれた。
「もしかしてイ・ホンギさんに感謝の気持ちを伝える方法はありますか?」
最近、韓国ノバルティスにFTISLANDのメンバー、イ・ホンギのファンからの問い合わせが殺到しているとのことだ。芸能事務所でもないのに、なぜ製薬会社にこのような連絡が来るのか。その背景には、長い待ち時間の末に来月から健康保険が適用されることになった、韓国ノバルティスの化膿性汗腺炎治療薬『コセンティクス(成分名:セクキヌマブ)』が深く関係していると分かった。
化膿性汗腺炎は、痛みのある炎症性結節や悪臭を伴う膿瘍、瘻管などの症状が繰り返され、生活の質を大きく損なう慢性疾患だ。韓国国内の患者は約1万人と少ないが、病気の認知度が低く、偏見も根強いため、治療の遅れが常態化してきた。
そんな状況で、イ・ホンギは自らの病歴を率直に公開し、疾患に対する社会的認知向上に大きな影響を与えてきた。「お尻と脇に大きなできものが繰り返しでき、手術は8回した」「傷跡がコンプレックスで大衆浴場に行けなかった」「膿が溢れるので替えの下着を常に持ち歩いた」など、芸能人としては口にしづらい体験をあえて明かし、患者たちに勇気を与えてきた。
2023年に韓国ノバルティスが公開した「化膿性汗腺炎に光を当てる」キャンペーン動画でも、イ・ホンギは自身の闘病を語り、動画は公開1か月で100万回再生を突破した。
こうした影響力も追い風となり、従来は年間1500万ウォンを患者が全額負担していたコセンティクスが、ついに12月から保険適用されることになった。難治性疾患である化膿性汗腺炎にとって、治療選択肢が増え、経済的負担が軽減されることは極めて大きい。
20年近く病と向き合ってきた患者は「ホンギさんの勇気がなければ、ここまで社会が動くことはなかった」と語っている。ひとりの告白が社会的偏見を揺るがし、制度を動かす力になった。イ・ホンギは、まさにその象徴的存在だ。
